でらゲー

岡本 吉起 ゲームプロデューサー

1961年生まれ。愛媛県出身。ゲームプロデューサー。
90年代初頭、『ストリートファイターⅡ』で空前の対戦格闘ゲームブームを巻き起こす。
その後も『バイオハザード』シリーズ、『鬼武者』シリーズ、『モンスターハンター』シリーズといった大ヒット作の誕生にも関わるなど、アーケードゲーム、コンシューマゲームでトップゲームクリエイターの地位を築く。
そして、スマートフォンアプリゲームでは、開発に関わった『モンスターストライク』が2013年10月に株式会社MIXIよりリリースされ、2014年にはAppStore、GooglePlayでの国内トップクラスのセールスを獲得するまでに成長。現在は日本だけに留まらず、アジア圏などの海外にも提供エリアを拡大している。
今後はさらなる飛躍を遂げるべく様々なジャンルへの挑戦を表明している。

 

遊び心って余裕がいる
仕事でも、ゲームでも

直感的で何回やってもおもしろい
そんなゲームをやりたいし作りたい

でらゲーでは、会社からのメッセージなどで度々「おもしろい」「おもしろさ」といったキーワードが出てきます。ではそもそも「おもしろい」とは何でしょうか。でらゲーはゲーム開発を手がける会社ですので、「おもしろいゲーム」とは何かということになりますが、それはどういったものなのか。
正直なところこれは千差万別で、一人ひとりにそれぞれの「おもしろいゲーム」の定義があると思います。僕にとって「おもしろいゲーム」というのは、“繰り返し遊んで楽しい”こと。1回目におもしろいのは当たり前、何度繰り返してもそのおもしろさや楽しさの鮮度が落ちない仕掛け作りが重要だと考えています。それと、チュートリアルがないのも理想です。直感的という言葉でも表せますが、事前情報を入れずとも「なんとなく予測して、触って、試したらできた!」となる方が、より幅広いユーザーに届けることができ、世界に通用するゲームとなりうるからです。
遊び心という言葉をでらゲーはよく使うのですが、遊び心には余裕がいる。“全力で遊ぶ”には、糸がピンと張っていてはダメで、ゲームの中でもそうです。“これをしないと絶対にクリアできないゲーム”はパズルと同じなんですよね。課金するか、時間をかけるか、テクニックを磨くか、道は何パターンも用意されていて、自分ならどう攻めるか考えられる方がおもしろいと思うんですね。
今のゲーム業界はまだまだ過渡期です。一度は据え置き型ゲーム機に統一されかけましたが、PCが進化し、スマートフォンがでてきたことでデバイスが多様化。ゲームもそのプラットフォームをさまざまに変化させており、また収益方法も買い切り、課金、サブスクなど選択肢が増え、現在は戦国時代のまっただなかと言えます。でらゲーはその中で、できるだけ柔軟でいたいと考えています。いつでも自分たちがおもしろいと思えるゲームが出せるよう、活動領域を限定したくないし、固く考えて多様な可能性を見逃したくないんです。

モンストは僕の中のホームラン
けれど、苦労を乗り越え作ったソフトも愛がある

でらゲーで数多くの作品に携わってきましたが、印象深い作品はやはり『モンスターストライク(以下、モンスト)』と『キングダム 乱 -天下統一への道-(以下、キングダム 乱)』でしょうか。『モンスト』は自分の中でも歴代ベストに入るほどユーザーに刺さったゲームで、まさに僕の中のホームラン。海外にも展開され、自分が想定した売り上げを超えたコンテンツになりました。対して『キングダム乱』は難産で。実は、『キングダム』は僕の人生の中で一番好きな漫画で、ゲーム化に掛ける思いは誰よりも強かったんです。けれど、内容のすり合わせが難しかった。ただ、そうやって苦労をのり越えながら作るのが楽しくて。できること、できないことの合間をうまくすりぬけて、原作のファンに驚きと喜びを提供したい、おもしろいものを作りたいっていうのが、ゲーム屋として燃えましたね。

苦労するだけ経験値が上がるのは
どんな仕事でも同じ

仕事をしていて一番自分たちのためになるのは、うまくいかなかったところをどうやってクリアしていったかという経験。会社にも個人にもそれは残るし、仮に退職して違う会社に行ったとしても「あれをここまでがんばった人間です」というところで評価される。また技術力も上がる。苦労すれば苦労するだけ、経験値が上がって何でもできるようになるというのは、どんな職業でも同じではないでしょうか。
今のスタッフたちには優秀な人が多く、僕の考え方をあっさりと越えていくのは、個人的にはとても嬉しいんです。才能があるうえにストイックで、ゲーム作りに自分の人生を全部使う人たちを見て、負けたなと。そんな時がたまらなく気持ちいいですね。

誰にも負けないものがひとつでもあるなら
一緒に仕事がしたい

でらゲーには2種類の人間がいます。すごくゲームが好きで作りたい人と、ヒット作を作りたいという野心のある人。両方持っている人もいますね。ヒット作を作るには相当勉強しないといけないので、そういう前のめりなマインドを持つ人は好きですね。
あとは一つだけで良いので、僕より優れている人と仕事がしたい。「これだったら誰にも負けない」という長所を、みずから表現して欲しいんです。今は難しくとも将来伸びる、というのでも構いません。何かで優勝した、みたいな肩書きは必要なくて、絵でも、プログラミングでも、物理エンジンだけは勝てます!みたいに、枠を限定しても良い。抜きんでたものを持っているということは、そこへのモチベーションが高いということ。それに強みを自覚していると、会社の中でその人は“居場所がある”って自信を持つことができる。僕自身まだまだ学びたいですし、引退するその日までは勉強だと思っています。やりきったと思った時があっても、また明日には状況は変わり、まわりも進化する。自分の記録を常に更新するべく、お互いに刺激し合いたいですね。

岡野 修身(プロデューサー)

ビジネスを超えて
自分が本気でおもしろいと思うものをつくる

岡本さんからの誘いで

黎明期のモバイルコンテンツゲームの世界へ

はじまりはテレビゲーム業界のデザイナー。小さな会社だったのもあり、全社員から企画を提出するよう言われたのがたまたま採用され、ディレクター業をやるように。そこから会社はいくつか変わりながらも、ずっとデジタルゲームに携わってきました。

そんな中、携帯電話のインターネットサービスの黎明期からモバイルコンテンツゲームの企画に関わることに。そのタイミングで岡本さんから「今度スマホゲームの企画コンペに参加したい。ディレクターをやってくれ」と言われました。その時僕は40半ば。ターゲットと自分の年齢を考えると迷いもありましたが、お世話になっていた岡本さんからの誘いだったので、参加させていただきました。

そうしてはじめてスマホゲームのディレクターを担当したのが『モンスターストライク(以下、モンスト)』です。今は『モンスト』の運営は若いスタッフたちにまかせて、マネジメント側の仕事をしています。

ビジネスを超えて作り手が

本気でおもしろいと思うもの

 

でらゲーは元々がコンシューマーゲームを作っていたメンバーでスタートしました。設立当初から変わらないのは、面白さに焦点を当て「こんなゲーム楽しいよね」「こんな体験楽しいよね」を提供したいということ。

ビジネスを超えて作り手が本気でおもしろいと思うもの、ユーザーがめちゃくちゃ楽しんでくれているシーンがはっきりと思い浮かぶものを作りたい。

今のゲーム業界、特にモバイルコンテンツの業界は、サーバーを介していろいろなデータがわかるので、ゲームコンテンツを良くも悪くも客観視できるようになっています。その結果、多くの会社がデータ至上主義になり、変わったアイデアやチャレンジングなアクションに対して「統計学的にビジネスにならないから進められない」と言われてしまうケースが増えている。

結局ゲームってエンタメなのに、表現についてすごく閉塞的になっている。ユーザーに“このサービスに自分の時間を費やしたい、お金を使いたい”って思ってもらえるには、上手な数字の解析以上に、心を動かす“新鮮な驚き”が必要だということを見失いたくないですね。

チャレンジングなコンテンツが

もっと正当に評価されてほしい

少なくともモバイルゲームに関していうと、気楽にやれて余計なストレスを受けたくないって思っている人が多いですよね。

そうなると似たようなコンテンツばかりが売れて、セールスランキングは上位があまり動かずに、新しいゲームが出てきても世の中に受け入れられにくくなっている。『モンスト』の運営側に関わる僕が言うのも少し矛盾があるんですけど(笑)。ゲーム業界全体の事を考えると、もうちょっとチャレンジングなコンテンツが正当に評価されるようになれば、強いコンテンツを持っているパブリッシャーさんにも、もっと楽しくて今までにないような体験をユーザーに提供しなければと思ってもらえる。

そしてユーザーはそれを享受できる機会が増える。個人的には、ゲーム文化の将来のためにもそうなってほしいと考えています。

“アイデアを思いつく力”ではなく

“アイデアを実現する力”が大事

でらゲーは昔は不真面目な人が多かったのですが、最近は真面目な人が増えました(笑)。ゲーム業界では「真面目すぎるのはよくない」と言う人も多く、私も以前は同じように思っていたこともありましたがいまは違うなと思います。ゲームって実はものすごく地道で面倒な作業が多いんです。

特に今は、コンシューマー、Web、モバイルコンテンツのどれでも、開発してリリースしたら終わりじゃなくて、アップデートを続けてずっとプレイヤーをフォローするサービスが主流ですよね。だからこそ確実に、継続的に、きちんと仕事に向き合える「真面目」な人が必要とされているし頼りになるなと思っています。アイデア勝負だって言われてるゲーム業界で何十年も働いてきて思うのは、アイデアを“思いつく力”じゃなくて、“実現する力”こそがすごく大事だということ。それは周りを説得したり、そのために必要な資料を集めたり、そういうことも含めてです。

プロとして良いアイデアを出すのは当たり前で、そのアイデアをいかに実現するか、それがあくまでもゴールなんだという気持ちを持てる人が、良いと思っています。

小久保 良介(Mid Game Designer &Team Leader )

「チームプレイ」の意識を、ゲーム開発の核に。
チームで追求する万人が楽しめるステージ

ゲーム開発に重要なのはチームプレイ
他部署と協力しながら面白さを追求

 

スマホゲーム開発会社で3年半ほど就業の後、2023年9月に中途採用ででらゲーに入社しました。1年間の契約社員からのスタートでしたが、ありがたいことに実績が認められて、契約満了を待たずに前倒しで正社員に雇用転換となりました。

 

現在はゲームデザイナーとして『モンスト』のステージ制作を行っています。仕事の内容は、まず「どのようなステージを作るのか」というコンセプトを考えるところからスタートします。会議でアイデアを出し合って、ユーザーに楽しんでもらえるステージの企画を固めていきます。それができたらコンセプトに沿ってステージに出現する敵のHPや攻撃、配置などのデータを設定していきます。

 

ステージ制作の仕事は、個人プレイの仕事ではありません。作っている人間の好みや癖が出てしまうからです。これを回避するために、コンセプトが決まった後も同僚や先輩に制作途中のステージを見せてアドバイスをもらうことが多いです。また、バランスやクオリティのチェックをしてくれる部署もあります。彼らはユーザーの立場になって、「この攻撃は理不尽だ」とか「この配置は変えたほうがいい」とか、ステージを俯瞰的に見てレビューしてくれます。時には作っている最中、自分ではまったく気づかなかった意見をもらうこともあります。こういうときは、チームで開発している強みを感じますね。

 

仕事をするうえでは、「チームで制作している」ということを強く意識するように心がけています。『モンスト』のような大規模タイトルでは多くの人が関わっています。ステージ制作が遅れると他部署に影響を与えてしまいますし、逆に早めに制作できれば全体がスムーズに進行します。

 

この考えを大切にしているので、自分の業務と関係のない話題にも関心を持ってチェックするようにしています。例えばチームコミュニケーションツールで流れてくる議題ですね。自分には関係なくても、目を通しておけば他のメンバーが今どんな仕事を抱えているかを把握できます。また、その時には関係がない話題でも、その後に自分が関わることになる可能性はゼロではありません。チームでゲーム開発をしている以上、まったく関係のない話はありませんから。

 

“多機能”と“わかりやすさ”は対極
共存させるのがデザイナーの腕の見せ所

 

そしてもうひとつ心がけているのは、ユーザーがプレイしていて何をしていいのかわかりにくいものは作らないように意識しています。『モンスト』は運営12周年の長寿タイトルなので、実装されている機能がとても多く、どうしても複雑化してしまいがちです。機能が多いということは、それだけユーザーが多くの体験ができるということ。そのため長年ゲームを遊んでいるユーザーには歓迎されますが、初心者にはとっつきにくく見えてしまう……。多機能とわかりやすさは対極にあるんです。これを、いかに工夫して作るかが、ゲームデザイナーの腕の見せ所だと思っています。万人が楽しく遊べるゲームを目指す中で、まだ改善の余地があると考えています。

 

やりがいを感じるのは、作ったステージがリリースされ、ユーザーからリアクションをもらえたときです。『モンスト』はプレイ人口が多いので、新しいステージがリリースされるたびにSNSで盛り上がってもらえます。感想を読むととても嬉しくなり、仕事の励みにもなっています。

 

でらゲーは風通しのよい企業
専門分野以外の挑戦も歓迎される社風

 

でらゲーは従業員の声が上司に届きやすく、意思決定がスピーディーに行われる会社だと感じています。例を出すと、定期的に全社員が参加できるオンライン会議についてチーム内から改善の声を上げたところ、すぐにその意見が反映されました。風通しのよさを実感できた出来事でした。また、評価基準が明確ですし、個人の働きを公平に評価してもらえているとも感じています。

 

そしてもうひとつ、挑戦したいアイデアをプロジェクトとして実行しやすい会社です。いまはステージ制作をメインに行っていますが、前の会社では新機能の提案やコラボ企画担当など、いろいろな仕事を経験してきました。今後はでらゲーでも、ステージ制作以外の企画や提案など他の仕事にも手を伸ばしていきたいです。でらゲーは「専門分野以外に手を出すな」と言わないどころか、基本的に歓迎してくれますからね。また自分はプライベートでもたくさんゲームを遊ぶので、将来的にはスマホだけではなく、マルチプラットフォームのゲームを作ってみたいという思いもあります。

 

でらゲーは周囲の状況を見ながら動ける人で、なおかつ指示を待つだけでなく自分から仕事をどんどん取りに行く積極的な人にとって働きやすい会社だと思います。自分のビジョンを持っていて主体的に動ける人には、チャンスが巡ってくるんです。周りをよく見ている人が多いので、そのような社風なのかもしれません。

 

田村 亮三(Level Designer)

オンラインだけでは見えない絆を深める。
グローバルな開発チームを繋ぐ、でらゲーならではの交流

クエスト作成の仕事は
クエストに関する全般

 

『キングダム 乱 -天下統一への道-』(以下、『キンラン』)でレベルデザイナーとしてクエストの作成を担当しています。『キンラン』はでらゲーとでらゲーマレーシア(マレーシア子会社)の共同プロジェクトで、社員だけでなく外部スタッフもいて、かなりの大規模チームで開発しています。

 

私の業務内容を簡単に説明すると、マップ上に配置する敵の強さや動き、柵や落とし穴などの場所を考えてコンセプトを作ります。コンセプトがチーム内のレビューを通過したら、実際にデータを設定しクエストを作っていきます。崖や森といったマップオブジェクトに関しては、デザイナーさんが綺麗に配置してくれます。また、クエストに関わる新機能の仕様も作成しています。

 

『キンラン』に登場するクエストはいくつか種類があります。原作通りに物語を進めながら遊ぶノーマルクエスト、『キンラン』ならではのオリジナル要素があるイベントクエスト、他にも大功の覇者や同盟討伐戦といった、スコアを競ったり同盟の仲間と楽しめるクエストなどがあります。

 

互助会旅行、育児休暇など
福利厚生の充実がでらゲーの特徴

 

でらゲーはいろいろな人が集まっている会社で、まさに“十人十色”といった印象です。年齢も職歴も様々で、これが会社の強みとなっていると思います。

 

また、互助会旅行が多いのもでらゲーの特徴だと思います。私は全部には参加できていないですが、今年は2月にバリ島、4月にユニバーサルスタジオ・ジャパン、7月に札幌、といった具合に、年間に2~3回の旅行が計画されています。

 

いままでの互助会旅行で一番の思い出は、マレーシアの『キンラン』開発メンバーと旅先で交流できたこと。普段は直接会うことが難しく、オンラインでの会話がメインでしたが、社員旅行で一緒に観光したり飲みに行くことができたので、対面でのコミュニケーションによって親睦を深めることができました。楽しいだけでなく仕事にもプラスの影響があって、社員旅行に参加して本当によかったです。

 

今年の年末には、週末を使った二泊三日の熱海旅行も企画されており、少し期間は短めなので忙しい部署の人も参加しやすくなっています。また、同伴者も連れて行くことができるので、家族で旅行を楽しむ人もいます。私はこれからもできる限り互助会旅行に参加して、社内の横のつながりを大切にしていきたいです。

 

福利厚生でもうひとつ伝えておきたいのは、育児休暇についてです。今年、第一子が産まれたのですが、希望通りに3ヶ月の育児休暇を取得できました。長期休暇なのでしっかりと引き継ぎをする必要はありましたが、おかげで休暇中は育児に専念できました。新生児を育てる日々は大変でしたが、育児休暇の3ヶ月は夫婦で協力して子育ての喜びを分かち合えた、かけがえのない経験になりました。長期間の育児休暇を取得できる職場環境に感謝しています。

 

 

 

でらゲーのスタッフに必要なのは
協調性と明確な好きなもの

 

でらゲーに向いている人は、当たり前なことではありますが協調性を持っている人だと思います。私が所属している『キンラン』の東京チームは、毎月末のアプリアップデートに合わせて定例でランチ会を開いています。オフィスにピザのデリバリーを頼んだり惣菜を買ってきたりして、出社している40人くらいのメンバーで一緒に食べて英気を養います。このようなランチ会が長く続いているのも、チームでのゲーム開発を円滑にするための協調性を大切にするスタッフが多いからだと思います。

 

そしてもうひとつ、でらゲーでは好きなものが明確に決まっている人が多いと思います。「これ!」という好きなものがある人は、魅力があります。それを言語化できると、さらに魅力的です。好きなものは、もちろんゲームでもいいですし、それ以外でもいい。人それぞれに好きなものがあり、それがどのようにその人の強みになるのかは、わかりません。『キングダム』原作漫画やアニメを「好き」という気持ちが『キンラン』のゲーム企画の原点だったように、でらゲーは「好き」を原動力にできる会社だと思います。

 

古家 睦大(Lead Engineer & Team Leader)

仕様書通りに書くのがゴールではない。
万人に歓迎される機能を追求する、クライアントエンジニアの挑戦

クライアントエンジニアに必要なスキルは
プログラミング以上にコミュニケーション能力

 

PS3やXbox 360などのコンシューマーゲーム開発会社を経て中途採用としてでらゲーに入社したのは『モンスト』がリリースして間もない2014年のこと。それからずっと、エンジニアとして『モンスト』の開発に携わっています。僕が担当しているのはクライアントプログラムです。スマートフォン上で動く、いわゆるゲーム本体のプログラム。少人数ですが、チームリーダーを任されています。

 

クライアントエンジニアの仕事は、常にパソコンと向き合っているわけではありません。プログラミングの技術と同じくらい、コミュニケーション能力も必要です。なぜなら「ゲームデザイナーが考えるアイデアをゲームとして遊べる形にしていく」ことがクライアントエンジニアの仕事だからです。

 

ゲームデザイナーから出てくるアイデアが、遊びの核の部分だけで細かな仕様・ルールが決まっていない、ということも珍しくはありません。時には「いい感じにして」といったアバウトな要望も出てきます。ここで重要になるのがコミュニケーション能力。僕たちクライアントエンジニアは、ゲームデザイナーと話し合いながら彼らが思い描く「いい感じ」の意図を紐解いていき、どうすればアイデアをゲームとして成立させ、さらにプレイして面白いものにするかを考えます。

 

もしもアイデアがそのままではプログラムで作れない内容だったとしても、「作れない」の一言で片付けずに「こういう形ならできるが、どうだろう?」と別のアプローチを提案するなど、ゲームデザイナーが考える「面白さ」を実現させるためにはどうしたらよいのかを、みんなで考えることも重要です。ゲーム開発の現場は、ゲームデザイナーとキャッチボールしながら作っていくのです。僕らの最終ゴールは「仕様書通りにプログラムを書く」のではなく、「面白いゲームを作る」ですからね。

 

ユーザーの声が仕事の活力
どんな意見にも改善のヒントが

 

頑張って作ったゲームがユーザーに喜んでもらえたときは、やりがいを感じます。特に自分が担当した新機能がリリースされたときは、ドキドキしながらSNSなどで反応を見てしまいます。当然、良い評価もあれば悪い評価もあります。やはり僕も人間なので「よかった!面白かった!」と言われるのが一番嬉しいです。

 

高評価に喜びつつ、反対の意見もしっかりと目を通して受け止める……これもゲーム開発において重要だと思います。ネガティブな意見の中には改善のヒントが多く隠されているからです。評価を真摯に受け止め、次回のアップデートで改善します。そして再び意見をもらいます。良い点と悪い点を明らかにしながら、何度も改善を重ねる。これがゲーム開発の仕事だと思っています。

 

もちろん、改善案はユーザーからの意見が全てではなく、チーム内からも出されます。でらゲーの開発現場は、誰でも気軽にアイデアや意見を出せるのが気に入っています。担当セクションにかかわらず意見を言い合えるゲーム開発環境は、とても健全だと思います。

 

老若男女に親しまれる長寿ゲーム
『モンスト』の開発ならではの苦悩

 

逆に業務で苦労している点は、すべてのユーザーを満足させにくい点です。ありがたいことに『モンスト』は、大勢の方々にプレイしていただいています。初心者もいればベテランプレイヤーもいる。なので、ある機能を実装するとして、その機能が全プレイヤーにとって望まれている機能かというと、そうとは限らない。もちろん、僕はゲーム開発者なので、可能な限り万人に歓迎される機能を提供したいとは思っていますが、なかなか難しいですね。

プログラムのバグを出さないように開発することも、かなり気をつけています。『モンスト』は長年運営しているゲームなので、プログラムコードがとにかく膨大です。ある機能を追加するとき、これまでのすべてのプログラムが適切に動くように作らなければなりません。これはかなり大変な作業ですが、チーム一丸となって取り組んでいます。

 

でらゲーは「ユーザーの感性」に近い企業
プレイヤーの目線でゲームを開発

でらゲーの特徴は、開発スタッフ全員がユーザーに近い感性を持とうとしているところです。僕たちのチームは全員『モンスト』をプレイしていて、ユーザーとの意見や感想にずれが少ないと思います。ユーザーが喜んでくれそうな新機能のアイデアもたくさん出てきます。

また、ゲームデザイナーが会議に提出した新しいアイデアを、プレイヤー目線で素直に「それ、いいじゃん」と感じることができます。もしも僕たちクライアントエンジニアがゲームをプレイしていなかったら、「その機能はどこが面白いの?」「どこが新しいの?」などとヒアリングしてからじゃないとゲーム開発に取り組めません。でらゲーの職場は、ユーザーと同じ目線でゲームを楽しみつつ、ゲーム開発を行っています。これはゲーム開発において、とても重要なことだと思います。

尹 洪志(Client Engineer)

パズルを解くような快感と、ユーザーの笑顔。
フラットな組織で「みんなでゲームを作る」文化を体現する

韓国のゲーム会社から運命を感じて転勤
ゲームクリエイターの夢を現実に

 

でらゲーの子会社「でらゲーマレーシア」所属の韓国人です。普段はマレーシアの最南端のジョホールバルで生活しています。8年前までは東京で開発を行っていましたが、開発拠点をマレーシアに移動させるタイミングで、僕も移住しました。担当しているのは『キンラン』のクライアント開発です。ユーザーがゲームとして触れる、スマホ画面内で動く部分のプログラムを担当しています。

 

僕は中学生のころにパソコンとプログラムに出会い、ゲーム業界で働く夢を持ちました。高校では大学の受験勉強をせずにプログラミングを学ぶための塾に通っていました。その結果、高校を卒業して韓国の企業にゲームプログラマーとして就職できました。ちょうどそのころ、岡本さんはゲーム開発の講義を毎月韓国で行っていて、有名クリエイターの貴重なセミナーということで興味を惹かれた僕は1年ほど受講していました。それが岡本さんとの最初の接点です。それから僕は2年の兵役後に日本に移住。日本語学校で1年、ゲーム専門学校で3年を過ごし卒業が近づいたある日、ゲームリパブリックの企業説明会で岡本さんが来校されることを知りました。「6年近くも前に受講生として会っただけなので僕のことは覚えてないだろうな」と思いながら説明会に参加したのですが、岡本さんは覚えていてくれて、しかも再会を喜んでくれて「インターンで働かないか?」と声をかけてくれたのです。あのときは運命を感じましたね。それがきっかけで岡本さんの下で働くようになり、いまの僕があります。

 

クライアントエンジニアにとって重要なのは
ユーザーがストレスなく楽しめるゲーム作り

 

僕が『キンラン』の職場で好きなのは、みんなが平等なところです。長期開発のタイトルでありながら、組織はフラットです。リーダーもスタッフも平等に感じます。例えば、新しいゲームの仕様を決めるとき、仕様書が配布されて終わりではなく、関係者全員が参加の「仕様説明会」を開催します。担当しているゲームデザイナーやディレクターが新機能の説明をし、その場でみんなが意見を言い合います。この「みんなでゲームを作る」という文化が、僕がもっとも気に入っているところです。

 

このような会議を経て仕様が固まると、いよいよ僕らのチームのプログラム作業が始まります。仕事でやりがいを感じるところは、やはり仕様書通りに動くゲームができたときです。手を付ける前は「どうやって作ろうかな……」と悩んでいても、上手く完成してプレイできたときは嬉しいです。考えながら作るのはとても楽しいんです。僕にとってプログラムは、パズルを解いているような感覚に近いです。完成したときは、なんとも言えない快感がありますね。しかもそれをユーザーのみなさんが楽しんでくれると、実装するための苦労なんて吹き飛んでしまいます。

もちろん、すべてが上手くいくわけではありません。僕がゲーム開発でもっとも気をつけているのは、ユーザーが「楽しくゲームを遊べること」です。スマホは端末によって性能がさまざまなので、少しでも多くの機種で快適にプレイできるように、軽量でクラッシュしにくいプログラムを作るように日々努力しています。

 

言葉で言うのは簡単だけど実作業は苦労の連続です。僕たちのチームだけでなく、QAチーム(品質保証)も同じくらい大変だと思います。彼らからもらったフィードバックを基に、プログラムを改善させています。バグというものは我々が想定していないタイミングで発生します。そのためQAチームと協力しながら、リリース直前まで作業をしています。

 

平日の疲れは隣国のシンガポールで
マレーシアの夢のような暮らし

 

僕が住んでいるマレーシアに興味を持ってくださる方がいるかもしれないので、少し紹介させてください。マレーシアの暮らしはとても楽しくて、僕は東京よりも合っていると思います。会社が借りてくれた35階建てのマンションに複数のメンバーが住んでいるのですが、オフィスから車で10分くらいのところにあるので通勤しやすいです。僕が借りている15階の部屋からは、天気がいいとシンガポールのマリーナベイサンズが見えます。花火を打ち上げているときはベランダに出てウイスキーを飲みながら観ています。

 

また、休日は車で1時間くらい走ってシンガポールに行きます。シンガポールは観光地なので、日頃の疲れを癒やすには最適な場所です。ウキウキしている観光客を見ながら自分もハッピーな気持ちになれますから。マンションの周囲はお店があまりないので平日は自宅とオフィスの往復しかできないのですが、その反動で週末のシンガポール観光で思い切り楽しんでストレスを発散させています。僕は東京で暮らしていた8年前からガラッと変わって、アクティブな人間になりました。マレーシアはいい国です。ガソリンが安くて映画は500円。ゴルフは18ホール回っても日本の半額ほどです。

 

でらゲーはどんな会社?
失敗を恐れず挑戦し続ける企業

 

「ホームランを打つのは難しいが、打席に立たなければ打てない。打席に多く立つしかない」

これは総合プロデューサーの岡本さんがよく言う言葉です。でらゲーでは水面下で複数のプロジェクトの検討が進んでいます。

 

僕もいつかは、自分のアイデアのプロジェクトを走らせてみたいです。僕はクライアントエンジニアですが、でらゲー社内で企画を提案するのに職種は関係ありませんからね。

 

そのような社風の会社なので、でらゲーに向いている人は多くの物事に好奇心を示せる人だと思います。見慣れた出来事を「あたりまえ」と思わずに、「なぜ?」と興味を持てる人が、でらゲーに向いている。我々の業界は、新しい技術が次々と出てきます。昨今ではAIがそうですね。それらを流行しているからといって何も考えずに使うのではなく、仕組みや開発側に立って興味を示せる人に、でらゲーで働いてほしいです。

 

 

可児 裕行(デザイナー)

みんなが納得するものを形にしていく
その過程が一番楽しい

18年間お世話になった会社をやめ、でらゲーへ

岡本さんのもとで新しい刺激を

以前はゲーム会社で18年間デザイナーをしていました。ソフト開発におけるデザインから宣伝まわりのデザインも含めてひと通り経験しました。メカ物やダークな世界観のものをつくることが多く、違った経験を積みたいと会社をやめ、以前からご縁があったメカデザイナーの仕事など、いろいろとやっていました。そんななか、知人からでらゲーを紹介されて、入社することに。入社を決めた理由はさまざまですが、やはり岡本さんの存在が大きいですね。経験はもちろんなんですが、知識も豊富でクリエイターとしてもすごいし、加えてビジネスマンという印象も強い。あとはかなりジョークを言う人で周りを和やかにしてくれます。この人と一緒に働いてみたいと思うと同時に、クリエイターとして最高の刺激が得られるだろうなと感じました。

趣味のように書き溜めていたものが

新規案件のネタにつながることも

入社後はコンセプトデザインやネタ出しなどで、新規タイトルの立ち上げをいくつか掛け持ちしています。中には「コミカル・4人対戦・かわいらしい」みたいな、ざっくりしたコンセプトからスタートすることも。そういう時にはある意味なんでも吐き出すことが大事で、例えば僕はほぼ趣味みたいに絵や設定をひたすら描いて貯めているのですが、それを企画担当の方やスタッフに見てもらって、そこから作品に繋げることもあります。 新規タイトルはゼロからだんだん形が固まっていく過程がなにより楽しい。これは何度経験しても変わりませんね。

絵を描く時にもっとも大事にしているのは空気感。例えば「怖い絵を作って」とオーダーがきても、単に見た目が怖そうなら誰でも描けますが、本当に良い絵にするには、「怖い」の奥にある虚無感、寂しさ、悲しさ、絶望感などをキャラクターごとに考え、情報量を足していく必要があります。これを「空気感」と表現していますが、それがあるのとないのとでは絵のインパクトが格段に違ってきます。

あとは自分としては超かっこ良いなと思っていても、常に自分の作品を疑うようにはしています。ディレクターやスタッフの意見を聞いて、独りよがりにはならないように。第三者の意見を聞いたほうが最大公約数の人に喜んでもらえるところへ着地できると考えているからです。

前職から数えると、もう本当に長い間、ゲームにおけるデザインやイラストを手がけてきましたが自分としてはまだまだ。レベル上げはずっとやっていかないとと思っています。

でらゲーなら、職種の垣根なく

やりたいことをやりたいと発信できる

でらゲーはゲーム開発の経験者がいろんな業界から集まっているので刺激にもなりますし、視野も広がると思います。それに、定期的に社内で企画を募集していたりして、自由に提案できる機会が多い。企画職だからデザイン職だからという縛りもないので、垣根がなくやりたいことをやりたいと発信できる環境だと思います。僕は厳しい言い方をする人は苦手なので、コミュニケーションの中でも相手に失礼がないように意識しています。ただ作品に対して妥協はしたくないので、「人に喜んでもらえる作品」を作っていくため、前向きに議論ができる人に来てくれたらと思います。いちクリエイターとして仕事が一緒にできれば良いですね。